『電池が切れるまで』すずらんの会編
 
 長野県立こども病院には入院中のお子さんのために、院内学級というものがあるそうだ。この本は院内学級で一度だけ作った文集だそうである。
 5歳の時に“神経芽細胞腫”という難病と診断され、過酷な治療を繰り返し、詩を書いた4ヶ月後に旅立った11歳の由貴奈ちゃんという女の子の詩『命』、とても感動的です。全編を読み、そしてこの『命』という詩にもどると、とてもからだの芯が熱くなってくるのを感じます。

   命はとても大切だ
   人間が生きるための電池みたいだ
   でも電池はいつか切れる
   命もいつかはなくなる
   電池はすぐにとりかえられるけど
   命はそう簡単にはとりかえられない
   何年も何年も
   月日がたってやっと
   神様から与えられるものだ
   命がないと人間は生きられない
   でも
   「命なんかいらない」
   と言って
   命をむだにする人もいる
   まだたくさん命がつかえるのに
   そんな人を見ると悲しくなる
   命は休むことなく働いているのに
   だから 私は命が疲れたと言うまで
   せいいっぱい生きよう

あとがきより
 医療は人の苦しみを和らげてあげるのが本来の姿だと思う。それがいつしか、医師は人の命を左右できる存在と勘違いするようになった。傲慢な考え方だ。命にとって大切なことは長さではなく、質である。命を質を決めるのは、温かな家族とのふれあいである。

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