〜 手足口病 〜
Q1 手足口病とは
手足口病は、乳幼児、小児によく見られる疾患で、手のひら、足の裏、口の中の発疹と水疱を特徴とします。一般的には、発熱で始まる軽い病気で、ほとんどの人が、1週間から10日程度で自然に治ります。合併症も、ほとんどありませんが、まれに髄膜炎等の中枢神経症状が発生し、入院が必要となります。
Q2 手足口病の原因は
手足口病は、いくつかのウイルスが原因で起きます。最も一般的なのはコクサッキーウイルスA16ですが、この他のエンテロウイルス71なども原因となります。いずれのウイルスでも現れるしょうじょうは同じです。
Q3 手足口病の症状は
手足口病の発疹の特徴は、手のひら、足の裏、手や足の指と指の間を中心とした水疱性の発疹(中に水を持った水ぶくれのような小さな発疹で一見水疱瘡に似ている)で、口の中にも同じような発疹が見みられます。病気の始まりのころには、一般的な微熱を伴い、また、軽いのどの痛みとそれによる食欲低下(おなかはすくが、痛みのため食べられない)程度であることが大半です。発疹は、手足全体、肘や膝、或いは、おしりあたりにみられることもあります。
Q4 手足口病の発疹・水疱はどのようなものか
口の発疹は、舌や口の内側の粘膜に軽度の痛みを伴った小さな水疱です。水疱が破れて、潰瘍状になることもあります。一方皮膚の発疹は、手のひらと足の裏に限ってできる小さな赤い発疹で、小水疱を伴うこともあります。かゆみや痛みを伴わないのが普通です。
Q5 手足口病の潜伏期間は
感染してから、手足口病の症状がでるまでの期間は、一般的に3日から6日と報告されています。
Q6 手足口病の感染経路は
感染者の鼻やのどからの分泌物や便に排出されるウイルスが、経口・飛沫・接触などの経路により人から人に感染します。
Q7 手足口病はどのような人がかかるのか
通常は、10歳以下の乳幼児・小児に発生しますが、大人もかかることがあります。一度かかると免疫が成立し(防御の仕組みができあがる)ますが、手足口病は複数のウイルスによって引き起こされますので、免疫の成立しているウイルスとは別のウイルスによって再び引き起こされることがあります。
Q8 手足口病の治療法は
手足口病に対する特異的な治療法はありません。発熱、頭痛、口腔内の潰瘍の痛み等のそれぞれの症状に対する対処療法が中心です。
Q9 どのような症状の変化に注意したらよいか
手足口病の発熱は、通常は軽度で一時的です。突然の高熱或いは微熱でも持続するもの、嘔吐を繰り返すもの、意識状態に変化が見られるものは注意信号です。
Q10 手足口病はどこの国で流行しているのか
手足口病は、世界中で発生しています。日本でも、毎年6月第2週頃から増加し、夏を中心に流行しています。日本では、1995年に大きな流行がありましたが、1997年には、マレーシアで、1998年には台湾で大きな流行が発生し、死者も報告されています。
Q11 手足口病の予防方法は
手足口病には、有効なワクチンがありません。 従って
・手洗いの励行(これは特におしめ等を交換した時重要です)
・汚れた衣服は洗濯する といった一般的な注意が必要です。 back
乳幼児の手足口病にご用心
例年に比べて猛暑の夏だが、この時期に夏かぜの1種である手足口病が小児、特に3歳以下の乳幼児に多くなる。
この病気は、手のひら、足の裏、口の中に小さな水ぶくれができるのが特徴で、肘(ひじ)や膝(ひざ)あるいはお尻(しり)にできることもある。熱は微熱程度で済むことが多い。手足の水ぶくれは痛みも痒(かゆ)みもないが、口の中が痛くて飲んだり食べたりできなくなることがある。脱水のために点滴が必要となることもある。
原因はウイルス感染で、原因ウイルスが数種類あるため、2度、3度と繰り返しかかる場合もある。かかっている人の鼻やのどの分泌物、便にウイルスが排出され、他の人に感染する。
治療に特別なものはない。熱や口の中の痛みには解熱剤や痛み止めを使用する。口の中が痛いときは、熱いもの、塩味や酸味の強いもの、硬いものを避ける。熱がなくて元気なら、入浴してもかまわない。
登園、登校は症状しだい。かかりつけの医師に相談するとよい。軽快しても便にウイルスが排泄(はいせつ)されるので、症状のある期間だけの隔離の意味はあまりない。
手足口病はほとんどが1週間から10日間程度で自然に治る軽い病気である。しかし、まれに髄膜炎、ごくまれに脳炎や脳症などの重症の合併症があり、死亡例の報告もある。ひどく心配する必要もないが、あまり軽く考えることもなく症状の変化に注意を払うことが大切である。突然の高熱や3日以上の発熱、吐いてぐったりしているなどの症状は要注意であり、こんなときは再度受診しましょう。(長岡赤十字病院小児科 沼田 修)[2001/8/31 日本経済新聞夕刊] back