非アルコール性脂肪性肝炎とは(Non-alcoholic steatohepatitis; NASH)
非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis; NASH)は、新しい生活習慣病です!
NASHは、飲酒をしない人がアルコール性肝障害と同じような病態を呈す病気です。NASHは、脂肪肝を刺激する活性酸素によるストレスによる過食や運動不足により肝臓に強度の(中性)脂肪沈着がおこり、活性酸素や異常なサイトカインによる炎症が発生して起こる進行性の病変です。といっても、今のところNASHの詳しい原因は未解明です。おそらく糖尿病に関係する「インスリン抵抗性」が関与しているであろうと疑われています。インスリン抵抗性は、糖の代謝に関係するインスリンが効きにくくなる状態ですが、肥満で細胞に脂肪が蓄積すると、その細胞が出す物質の作用で抵抗性が増し、この悪影響が肝臓に出たのがNASHではないかと推測されております。
自覚症状ですが、多くは無症状です。
疫学ですが、日本人の頻度は1%程度と言われており、およそ100万人のNASH患者がいると推定されております。
飲酒歴のない脂肪肝で、血清トランスアミナーゼが持続高値、特に正常上限の2から4倍を越え、胆道系酵素(ALPやγ-GTP)異常、脾腫、血球減少、血清フェリチン値の異常などがみられるときにはNASHが疑われます。しかし確定診断には、病理検査(肝臓の組織を一部を採取して顕微鏡で調べる=肝生検)しかありません。
確立した治療法はまだありませんが、もっとも重要かつ効果が高いと考えられるのは、食事&運動のコントロールによる肥満の解消です。これにより、インスリン感受性の回復とともに肝機能値の改善が期待できます。薬剤としては、抗糖尿病薬のインスリン抵抗性改善薬や一部のビタミン、あるいはウルソデオキシコール酸などの肝臓病薬により、脂肪肝や肝機能が改善したとの報告があります。
予後ですが、10年後に10%は肝硬変へ至ると言われています。欧米では線維化の認められるNASH症例の約30%が10年間で肝硬変に進行したとの報告があります。