クリニック通信2006年12月号 〜

 いよいよ2006年も師走を迎えました。速い・・・、光陰矢の如し。。。今年も1年があっという間にすぎてしまいますね。さて、今年の十大ニュースというと、何だったでしょう?臓器移植、代理出産、人口減少、高齢者の医療費負担増加、36年ぶりの狂犬病発症・死亡、アスベスト、メタボリック症候群、MR混合ワクチン導入、ジェネリック医薬品、平均寿命低下、モーツァルト生誕250周年&ヒーリングミュージック、などが医療系のキーワードとして浮かんできますが、皆さんにとっての十大(重大)ニュースといえば何だったでしょうか?

 さて、先月は例年以上にノロウィルスによる嘔吐下痢症とマイコプラズマによる喉頭炎・気管支炎が猛威をふるいました。いつまでも続く咳症状は、診る側にもストレスがたまるものです。そろそろインフルエンザも発症することでしょう。溶連菌感染も忘れてはいけませんね!これらの感染症に対する予防策の基本はなんといっても手洗い、うがい、そして加湿です。また罹ったら、十分に休養することが肝要です。そんなに頑張っても世界は変わらないのに・・・ねぇ。せめて病原菌をまき散らさないでくださいな!

◆ 親子関係を考える

 『預言者』という本を読んだことがあるでしょうか?1923年に出版されたカリール・ジブラン著"The Prophet"は、「世界30数カ国で愛され読みつがれる、聖書に並ぶ大ベストセラー」とネット書店Amazonの書評でも紹介されている名著で、『預言者』はその日本語訳(佐久間彪訳)として1984年に出版され、その後1990年にポケット版となり今日まで読み継がれてきました。確かに一度読み終わっても、すぐに読みなおしたくなる本の一つです。散文詩で読みやすく、そして言葉のもつ美しさを再認識させてくれる一冊といえるでしょう。

その中の一編「子供について」から・・・

「あなたの子は、あなたの子ではありません。

 自らを保つこと、それが生命の願望。そこから生まれた息子や娘、それがあなたの子なのです。

 あなたを通ってやって来ますが、あなたからではなく、あなたと一緒にいますが、それでいてあなたのものではないのです。

 子供に愛を注ぐがよい。でも考えは別です。子供には子供の考えがあるからです。

 あなたの家に子供の体を住まわせるがよい。でもその魂は別です。子供の魂は明日の家に住んでいて、あなたは夢のなかにでも、そこには立ち入れないのです。

 子供のようになろうと努めるがよい。でも、子供をあなたのようにしようとしていてはいけません。

 なぜなら、生命は後へは戻らず、昨日と一緒に留まってもいません。

 あなたは弓です。その弓から、子は生きた矢となって放たれて行きます。射手は無窮の道程にある的を見ながら、力強くあなたを引きしぼるのです。かれの矢が遠く遠くに飛んでいくために」

 いかがでしたか?あなたはこの詩を、どのように受けとめることができたでしょうか!?

◆ 嘔吐下痢症対策に「オーエスワン」という飲料をお勧めします

 11月は“ノロウィルス”による嘔吐下痢症が流行しました。これからも多くのお子さん、そしてその家族が罹患することでしょう。“ノロウィルス”の次は“ロタウィルス”・・・。また忘年会シーズン、怪しげな“生牡蠣”やその他の貝類の生食には十分注意しましょう。十分火をとおしたつもりでも、調理者の手や包丁・まな板、そしてそのお皿は大丈夫??

 嘔吐が始まったら、最低3時間は飲み食いさせないことです。飲ませる場合もほんの一口(30CC程度)にしておきましょう。繰り返すようなら、嘔吐止めの座薬を使いましょう。どうしても飲ませたいとき、あるいは下痢が止まらないときは「オーエスワン」という飲料水を利用しましょう。

 オーエスワンはWHO(世界保健機関)の提唱する経口補水療法の考え方に基づいた、電解質と糖質の配合バランスを考慮した経口補水液です。軽度から中等度の脱水状態の方の水・電解質を補給・維持するのに適した病者用食品です。感染性腸炎、感冒による下痢・嘔吐・発熱を伴う脱水状態、高齢者の経口摂取不足による脱水状態、過度の発汗による脱水状態等に適しています。ご利用の薬局でご相談ください。

◆ 喫煙+毎日飲酒=・・・

 喫煙週間に加えてほぼ毎日飲酒する男性は、どちらの習慣もない人たちと比べて食道がんになるリスクが9〜11倍となるそうです。

「禁煙が何より大事で、酒を飲みながらのたばこは最悪」ということですね!

 なお現在の全国の喫煙者率は26.3%で、男性が41.3%、女性が12.4%ということです。喫煙率は11年連続減少中との由ですが、それでも男性の4割超はまだ喫煙者なんですねぇ。

◆ 狂犬病

 実に36 年ぶりの狂犬病発症、京都では死亡例も・・・。

 原因はフィリピンで犬に噛まれたことによるものですが、中南米では吸血コウモリ、北米ではアライグマ、スカンク、キツネ、ヨーロッパではアカギツネに注意が必要だとの由です。

 潜伏期間は、平均で1〜2ヶ月ですが、時には7年間の例も。発病すると、物事に極めて過敏になり、狂躁状態となり、その後全身麻痺が起こり、最後は昏睡状態になって死亡します。人間では水を飲む時に、その刺激で咽喉頭や全身の痙縮が起こり苦痛で水が飲めないことから「恐水症」とも呼ばれています。

 予防接種を受けて現地に行くか、動物に噛まれないように気をつけるか、十分にご注意ください。

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