クリニック通信2006年10月号 〜

秋の健康診断

 さて皆さん、早いもので、今年も残すところ3ヵ月をきりました。皆さんにとっての10月あるいは11月は、“行楽の秋”でしょうか、それとも“食欲の秋”でしょうか、もしかしたら季節に関係のない、年中無休&余裕のない頑張り屋さんでしょうか!?

 ところで頑張り屋さんもそうでない人も、今年の健康診断はちゃんと受けましたか?おそらく今月は、秋の健康診断を職場で予定されている方も多いことと思います。そういうチャンスのない方で、今年まだ健康診断を受けていない&横浜市在住で40歳以上の方は、横浜市の基本健康診査をぜひ受けておきましょう。血液検査(肝機能、脂質、糖尿病、尿酸値、腎機能、貧血などをチェック)、尿検査、そして心電図検査を含めて¥1,200で受けることができます(70歳以上は自己負担なし)。

 “やっておきましょう、健康診断!”メタボリック症候群が気になる方もそうでない方も、ぜひ今年度のチェックをお忘れなく!

The漢方〜小児の体質改善編〜

「苦い薬はのめない」とか「顆粒はのめない」とかおっしゃるお母さんの多いこと!そのお子さんは・・・(-_-;)

 何はともあれ、服用してくれないと話はこれにて終了ですが、小児の体質改善の代表漢方薬は小建中湯(しょうけんちゅとう)です。小建中湯の特徴は何と言っても、その成分の半分以上を膠飴(こうい)という生薬がしめていることです。膠飴は、米・麦などの澱粉(デンプン)に麦芽を加えて糖化したものです。皆さんの予想どおり、たいへん甘くのみやすくなっている漢方薬です。これを嫌がるお子さんの漢方治療は難しいでしょう。ただしシナモンがダメなひとはしょうがないかも(成分に桂枝=シナモンがはいっているため)。

 「なんだ、じゃ飴(あめ)を舐めてればいいのか」・・・と侮るなかれ、膠飴はただの飴ではなく、ちょっと専門的に述べると、補生・潤性・升性・収斂性があり、強壮作用や夜尿症を治す作用が期待できます。

 名前の建中湯とは中(=中焦=消化器)を建て直す(=しっかりさせる)お薬を意味します。

 小建中湯は、小児の夜尿症や虚弱児の体質改善には、ファーストチョイスの漢方薬といってもよいでしょう。

 また小建中湯黄耆(おうぎ)という生薬を加えた黄耆建中湯という漢方薬があります。黄耆は皮膚の栄養を高め、汗を調節してくれる強壮薬です。黄耆建中湯は、アトピー性皮膚炎のお子さんや、あるいは盗汗(寝汗)をしょっちゅうかくお子さんの体質改善に効果が期待できます。

 さて、冷えるとお腹が痛くなるお子さんはいませんか?このタイプには人参湯(にんじんとう)、これも甘くてのみやすい漢方薬です。別名理中丸(りちゅうがん)とも言いますが、中(=中焦=消化器)を理する(=おさめる)お薬という意味があります。わかりやすくないですか!?

 イライラあるいは癇癪(かんしゃく)を起こしやすいお子さんはいませんか?またストレスが原因で、頭痛や腹痛など‘こころの痛み’を訴えていると思われるお子さんはいませんか?抑肝散(よくかんさん)がお勧めですね!これもネーミングが抜群です。実にイメージしやすい!なお抑肝散は夜驚症・ひきつけにも効果が期待できます。

 よく立ちくらみを起こしたり、朝ぐずぐず起きられない低血圧傾向、あるいは車酔いしやすい、といったお子さんには、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)です。さらに下痢もしやすければ、真武湯(しんぶとう)かな!

 最後に、しょっちゅうリンパ腺や扁桃腺を腫らして高熱を出すお子さんには根本的な(あるいは究極の)体質改善薬として小柴胡湯(しょうさいことう)、柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)、あるいは柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)をお勧めします。ぜひご相談ください。

未来ニュース〜5年後には鼻の中にワクチン噴霧!?〜

 東京大学医科学研究所で開発された新技術で、動物実験に成功したとの由。アメリカではすでにインフルエンザのワクチンを鼻から投与することが実用化されているそうですが、副作用の多いのがネック!今回開発されたのは、不活化ワクチンタイプであり、効果それなりで副作用軽減が期待されます。果たして鼻の粘膜(?)から全員ちゃんと吸収できるのか、ちょっぴり心配ですが、5年後を楽しみに待っていることとしましょう。

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