クリニック通信2004年9月号 〜

《今年の健康診断はお済みでしょうか?》
 皆さん、今年の健康診断はお済みでしょうか?40歳以上の横浜市民で、職場等で健康診断を受ける機会のない方は、9月、10月中に横浜市基本健康診査(血液・尿・胸部レントゲン・心電図など)を受けるようにしましょう。「結果が恐いから」とよく言われますが、あとで後悔してもしょうがありませんよね。
 あわせて、“大腸がん検診(便潜血チェック)”、“前立腺ガン検診”、“B型C型肝炎検診”についてもご相談ください。

*横浜市基本健康診査料金は現在のところ無料ですが、来年1月から40歳から64歳までの方は有料化(¥1,200)されます(65歳以上はこれまでどおり無料)。

《あなたの動脈硬化指数はいくつ?》

(総コレステロール−HDLコレステロール)÷HDLコレステロール=動脈硬化指数

 例えば、総コレステロール値=240mg/dl、HDLコレステロール値=40mg/dlの場合の動脈硬化指数を計算すると、(240-40)÷40=200÷40=5となります。
 この計算で求めた数値が、4を分岐点に大きければそれだけ動脈硬化指数が高くなり、危険度も高くなります。

《あなたのLDLコレステロール値はいくら?》

 LDLコレステロール=総コレステロール−HDLコレステロール−(中性脂肪÷5)

 例えば、総コレステロール値=240mg/dl、HDLコレステロール値=40mg/dl、中性脂肪値=150mg/dlの場合のLDLコレステロール値は、240-40-(150÷5)=240-40-30=170mg/dlとなります。

 コレステロールは、人間の体にとって、なくてはならない栄養素の1つであり、そのうちLDLコレステロールは血管を通じて体の各組織に必要なコレステロールを運ぶ重要な働きを担っています。したがって人間は、LDLコレステロールなしでは生きていくことはできません。しかし「過ぎたるは及ばざるがごとし」、血管壁にコレステロールを沈着させ、動脈硬化等を引き起こす原因を作り出すため、LDLコレステロールは“悪玉”コレステロールと言われているのです。
 LDLコレステロールの基準値は、『140mg/dl未満』です。“過ぎて”しまっている人は、食習慣や日々の運動量を見直しましょう。

《動脈硬化の危険因子》
 動脈硬化の危険因子として重要なのは、『高血圧』『高脂血症』『喫煙』そして『糖尿病』の4つです。いわゆる『生活習慣病』といわれる疾患ですが、現代人の特徴はこれらの疾患を複数合併して持っていることにあります。
 「1コも2コも別に変わらないだろう!」と思ってはいけません。代表的なフラミンガム研究などによると、狭心症や心筋梗塞といった『虚血性心疾患』になる危険率(正常人に比べて何倍なりやすいか)は、以下のようになります。家系的に動脈硬化が心配な方は、ご注意ください。

 『喫煙』単独=2倍
 『高血圧』単独=3倍
 『高脂血症』単独=4倍
 『高血圧』+『高脂血症』=16倍
 『高脂血症』+『糖尿病』=16倍
 『高血圧』+『高脂血症』+『糖尿病』=32倍
 『高血圧』+『高脂血症』+『糖尿病』+『喫煙』=?倍

《禁煙のススメ》
 厚生労働省研究班の大規模疫学調査(40、50代の日本人男女約4万2000人を1990年から11年間追跡した結果)によると、たばこを吸う人は吸わない人に比べ、男性で3.6倍、女性で2.7倍、脳卒中の一種のくも膜下出血になりやすいことがわかりました。

《夏バテと間違いやすい甲状腺の病気》
 動悸や息切の症状で、特に女性が気をつけなければいけないのが甲状腺のトラブルです。この時期は、夏バテと勘違いしやすいので、注意が必要です。甲状腺といえばバセドウ病が有名ですが、橋本病もまた、女性に多く見られる症状です。喉の奥にある甲状腺からは「体を活発化させるホルモン」といわれる甲状腺ホルモンが分泌されていますが、バセドウ病は、これが出過ぎてしまう病気です。神経が敏感になり過ぎるために、動悸や息切れがしたり、汗をかき過ぎたりイライラしたりします。逆に橋本病は、甲状腺ホルモンが足りなくなることで生ずる病気です。体がシャッキリと動かずに、疲労感やだるさが続き、気力が低下していきます。いずれにしろ夏バテと間違いやすい症状といえます。心当たりのある方はご相談ください。

《更年期と大豆イソフラボン》
 フラボノイドの一種で、特に大豆の胚芽部分に多く含まれている天然成分です。大豆イソフラボンも女性ホルモンのエストロゲンに似た構造をもっていて、女性ホルモンと似た働きがあります。
 更年期症状の原因は、ひとえに女性ホルモンが足りなくなってきたためですから、これを防ぐにはエストロゲンを補充するのが一番です。
女性ホルモンににた働きのある大豆イソフラボンは、女性の美容(老化防止)に優れた効果があります。
 また女性の更年期以降に多い症状では骨祖しょう症も見逃せません。これは骨の形成を助けるエストロゲンが閉経後に減少するため、骨量が減り、骨がスカスカになってしまう症状です。この骨粗しょう症のリスクを軽減する素材としても注目が集まっています。大豆イソフラボンを摂取することで、体内のカルシウムが溶出するのを抑制する効果があることが動物実験などで実証されているのです。
 その他には、大豆イソフラボンの作用によって高血圧や動脈硬化脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病の予防や改善に役立ちます。

《アルツハイマー病》
 アルツハイマー病は、ドイツの神経学者の名前に由来しています。50代の痴呆婦人の症例を報告したことで、この名前がつきました。アルツハイマー病は、脳の神経細胞から出ている神経原繊維が非常に少なくなったり、なくなってしまう病気です。目立つのが記憶力の著しい減退です。“このごろ、歳のせいか物忘れがひどくて・・・”などと口にすることが増えていませんか?知人の名前が喉まで出ているのに、どうも思い出せない・・・そんなことはありませんか?
 物忘れは誰にでもあることですが、これも程度問題です。アルツハイマー病は、早い人では40代から発病することもあるのです。症状としては、たとえば、昔のことはよく覚えているのに、最近のことがなかなか思い出せません。さっきとったばかりの食事の内容を、まったく覚えていなかったりします。
 症状が進むと、忘れ物が増えたり、同じ話を何度も繰り返すようになります。さらに、時間と場所について混乱するようになり、自宅の風呂場やトイレの位置がつかめなかったりします。外を徘徊して、迷子になってしまうこともあります。そうなると、食事・入浴・排泄などすべてにわたって、周囲の介護なしでは生活できなくなってしまいます。
 西欧では、ぼけ・アルツハイマーなどの疾患に、イチョウ葉がよく使われています。イチョウ葉に含まれている、“ギンコライドB”は、血液循環促進に非常に効果の高い成分です。将来のボケ予防のために今からのんでおくのもよいかも!?

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