クリニック通信2004年8月号 〜

(猛)暑中お見舞い申し上げます。
夏バテ、日射病(熱射病)、クーラー病(冷房病)にならないよう、ご慈愛ください。
休めるときにはしっかり休んでおきましょう!

《夏の紫外線》
 海の日、山崎公園のプールで午前11時から2時間子どもと遊んでいました。日焼け止めはまあいいか〜、と塗らずに出かけたずぼらさ、案の定見事に水面上の部分が赤く焼けてしまいました。トホホ。
 夏休みになったせいか、真っ赤に日焼けしたお父さんや真っ黒クロスケのお子さんたちを多く見かけるようになりました。
 紫外線のあびすぎは身体に良くないということは、ほぼ常識化していることですが、これはフロンガスによってオゾン層が破壊されることにより(現在進行形!)、紫外線の通過量・被曝量が増えたことが原因です。長期に渡り紫外線を浴び続けていると、しわの数や深さが増し、しみの範囲などが拡大し、紫外線は皮膚の老化を早めると考えらています。また皮膚ガンの発生率が高いということも、紫外線と関係があると言われています。紫外線は細胞の中のDNAを傷つけることが確認されています。しかしこの傷のほとんどは元通りになるのですが、紫外線の長期に浴び続けていると回復しなくなり、皮膚ガンとなると考えられています。また紫外線の影響で免疫が低下するというデータもあります。やっぱり恐いですよね、紫外線は。
 日焼けとは、一種のやけどである、ということは今さらいうまでもないことでしょうが、やけどですから程度が強いと発熱や脱水状態を生じることもあります。1日のうちで紫外線量の多いのは午前10時から午後2時あたりです。今年は猛暑でもあり、炎天下での行動はなるべく控えるように、紫外線や熱波の恐さを理解できていないお子さんたちを促し、熱射病や紫外線の恐怖から守ってあげましょう。

《食源病を防ごう!》
健康の基本はやっぱり“食事”です。バランスが悪く、ビタミン・ミネラルが不足すると、様々な症状が起こり得ます。現代の食生活には以下のような問題点が指摘できるでしょう。皆さんはいかがでしょうか?
● インスタント食品が多い
● スナック菓子などのおやつが多い
● 濃い味、脂っこいものが多い
● 肉料理が多い
● ファーストフードが多い
● ジュースをよく飲む
● アメやガムなど、いつも何か口に入れている

日本人ならやっぱり和食ですよね。和食に詳しい幕内秀夫氏著『ごはんで勝つ!』より、食事が原因で病気にならないための10ポイントを皆さんに伝授しましょう。
(1)ごはんをきちんと食べましょう
(2)液体でカロリーをとらないようにしましょう
(3)発酵食品を常に食べるようにしよう
(4)パンの常食はやめましょう
(5)未精製のごはんを食べるようにしよう
(6)副食は季節の野菜を中心にしよう
(7)動物性食品は魚介類を中心にしよう
(8)砂糖、油脂類の摂り過ぎに注意しよう
(9)できるかぎり安全な食品を選びましょう
(10)食事はゆっくりと、よくかんで食べましょう

《低血糖症について》
 血糖低下が起こると、それに対処するため、副腎からアドレナリンとノルアドレナリンが分泌されます。これは大脳辺縁系を刺激し、怒り、不安などの情動変化を起こしやすい。
 “攻撃ホルモン”といわれるアドレナリンは、怒り、敵意、暴力といった攻撃的な感情を刺激し、反対にノルアドレナリンは、恐怖感、自殺観念、強迫観念、不安感といった感情を起こします。
 ノルアドレナリンは大脳皮質前頭野46野の神経伝達物質となっているので、低血糖などによりノルアドレナリンの濃度が急上昇すると、理性的な判断ができなくなり、発作的な感情に支配されてしまうこととなります。いわゆるキレる症状ですね。パニック障害も同じメカニズムによって起こると考えられています。『栄養療法の手引』柏崎良子著より

《ビタミンを考える》
「食生活が人生を左右する!」といったらおおげさでしょうか?
 グルメと称するぜいたくな食事は、果たして栄養のバランスは大丈夫なのでしょうか?
 脳の正常な働きには、ビタミンやミネラルの安定した供給が不可欠です。今回はビタミンをまとめてみましょう。
★脂溶性ビタミン
ビタミンA
 ウナギ、牛、豚、鶏のレバー、牛乳などに多く含まれています。また、体内でビタミンAに変換するカロチンは、緑黄色野菜に含まれます。
 ビタミンAは視覚機能に関係する重要な働きを担っており、不足すると夜盲症となり、その他、角膜の乾燥や皮膚のカサカサ感を生じます。

ビタミンD
 腸からのカルシウムとリンの吸収を増大させ、骨の正常な発達のために必要なビタミンで、イワシ、椎茸、しらす干し、バター、卵黄に多く含まれています。不足するとくる病や骨軟化症を生じます。

ビタミンE
 穀物、ナッツ、種の油に含まれるビタミンEは、抗酸化作用が強く、活性酸素による体の細胞の不飽和脂肪の過酸化を防いでくれます。また細胞を損傷させるフリーラジカルの形成を防いでくれますので、老化防止によさそうです。また生殖機能にとっても重要です。

ビタミンK
 キャベツ、納豆、ホウレンソウ、トマト、レバーに多く含まれ、不足すると出血しやすくなります。抗生物質を多用して腸内細菌が少ないと、ビタミンKの産生が減少するので注意が必要です。

★水様性ビタミン
ビタミンB1(チアミン)
 胚芽米、玄米、麦類、大豆、落花生、酵母、レバー、肉類に含まれ、不足すると脚気(全身脱力、食欲不振、動悸、息切れなど)になることはよく知られています。
 ビタミンB群は糖質をエネルギーに変えるのに必要なビタミン(神経ビタミン)であり、不足すると無感動、錯乱、情緒不安定、興奮性、うつ、悲運が迫ってくる感じ、疲れ、不眠、頭痛、消化不良、下痢、食欲不振、体重減少、手足のしびれや熱感など多彩な症状を起こします。

ビタミンB2(リボフラビン)
 牛乳、レバー、舌、臓器の肉、ビール酵母に多く含まれ、新しい細胞の成長を促進する作用があり、不足すると、光過敏、眼瞼炎、脂漏性皮膚炎の原因となります。

ビタミンB3(ナイアシン)
 穀類、赤身の肉、落花生、ビール酵母、小麦胚芽に含まれ、砂糖、甘味料、菓子類、油脂類などを摂りすぎるとビタミンB3(ナイアシン)欠乏症を起こします。不足すると、イチゴ舌、消化吸収障害、皮膚炎、情動障害といった症状が起こります。最近“統合失調症”との関連性が指摘されています。

ビタミンB5(パントテン酸)
 副腎を守る大事なビタミンです。ビール酵母、臓器の肉、穀物、納豆、ピーナッツ、エンドウ豆に多く含まれています。なお、歯ぎしりの原因の一つに、パントテン酸不足が指摘されています。

ビタミンB6(ピリドキシン)
 タンパク質代謝に重要な役割を担っているB6ですが、不足すると、貧血、脂漏性皮膚炎、舌炎を生じます。臓器の肉、魚、未精白米、小麦胚芽、大豆、油に多く含まれていますが、砂糖の多い食事はB6の不足を増大させるので注意が必要です。最近、自閉症児とB6不足の関連性も指摘されています。

ビタミンB12(コバラミン)
 骨髄の造血作用を担い、不足すると悪性貧血を生じます。動物性食品に多く含まれています。不足すると、無感動、気分動揺、記憶力の低下、注意欠陥、学習障害、幻聴、不安感などの症状が起こります。

葉酸(フォレート)
 蛋白代謝を助けて、ヘモグロビン、赤血球、核酸の生成を促進します。不足すると、記憶力の低下、無感動、引きこもり、興奮、知的活動の低下を起こします。葉野菜やレバー、酵母に多く含まれています。

ビタミンH(ビオチン)
 甲状腺、生殖器官、神経組織、皮膚組織を維持、白髪やはげを予防します。生卵の白身の摂り過ぎや抗生物質の連用による腸内バクテリアの破壊がビタミンH不足の原因と言われており、不足するとうつ、眠気、倦怠、吐き気、食欲不振、筋肉痛、触覚過敏といった症状がおこります。

ビタミンC(アスコルビン酸)
 コラーゲン、ステロイドの合成や免疫機能の維持に重要なビタミンであり、不足すると疲労、うつ、倦怠、錯乱の原因にもなります。ビタミンCが何に含まれているのかは、もうあらためていうまでもないでしょう。十分摂取しておきましょう。

戻る