クリニック通信2004年6月号 〜

【クリニック臨時休診日のお知らせ】
 6月 5 日(土)午前・午後とも休診です。

【風疹の脅威ジワリ】
 風疹とは空気中に飛んだ唾液(だえき)などに含まれるウイルスを通じて、人から人に感染する病気です。全身の発疹、発熱、リンパ節の腫れなどが特徴です。俗に「3日はしか」とも呼ばれています。
 妊娠初期の妊婦が風疹に感染すると、胎盤を通じてウイルスが胎児に感染し、赤ちゃんに難聴や先天性白内障、心臓の異常などの障害が起きる可能性があります。
 今年になって、全国各地で風疹(ふうしん)の発生が相次いで報告されています。風疹は妊婦が万一かかると、赤ちゃんに「先天性風疹症候群」と呼ばれる障害が起きる可能性があります。
 風疹はかつて、ほぼ5年ごとに流行を繰り返していました。95年に風疹ワクチンの定期接種の対象年齢が、中学生女子から、1〜7歳半の男女全員に変更され、風疹にかかりやすい幼児期のワクチンが広がり、患者は減少していました。
 今年の風疹の特徴は10〜14歳の子どもと、20歳以上の大人の占める割合が多いことがあげられています。通常、風疹患者の8割は小学校低学年以下の子どもなのですが、今年は10歳以上の患者が4割を超えているそうです。
 風疹のウイルスを妊婦のいる家庭に持ち込むのは、子どもやご主人などの家族であることが多いそうです。25歳以上の男性の大半は、風疹ワクチンを接種していないと考えられますので、子どもはなるべく早めにワクチンを接種し、また大人の男性もぜひワクチンを接種しておきましょう。ワクチンの有効率は95%以上です。
 なお、妊婦さんはワクチンを受けることができません。妊娠2ヶ月前までにワクチンを受けておく必要があります。

*風疹の疑いで血液検査をすることは健康保険を使ってすることができません。どうしても希望される場合は自費診療となることに留意ください。迷ったら、風疹ワクチンを接種しておきましょう。

【痛風(高尿酸血症)】
 中高年の男性に多いと言われる病気の一つに痛風があります。痛風は血液中の尿酸という物質が異常に増え、関節や腎臓などに沈着して、臓器の働きを低下させたり、痛みを伴う炎症を起こしたりする病気です。
 尿酸は水に溶けにくい性質なので、体液に溶けず体のあちこちに沈着します。多くは足の親指の付け根にある関節で炎症が起きますが、尿酸が関節の滑膜に沈着すると、刺激が加わるなどしたとき炎症が起き、激しい痛みに襲われます。
 尿酸が沈着しやすいのは関節の滑膜と腎臓の尿細管です。尿細管に沈着した場合、尿細管から再吸収されるはずのたん白質が尿中に漏れ出たり、尿を濃縮する能力が低下するなど、腎臓の機能を低下させ、腎不全の引き金になります。
 痛風の発作は急激に起こり、2日から1〜2週間という短期間で痛みが軽減します。しかし、尿酸値が高いままだと発作は再発します。
 血液中の尿酸値が9mg/dl以上の場合、痛風に罹患する危険性が高いので即座に薬物治療が必要です。
 腎障害、尿路結石、高血圧、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、糖尿病といった合併症がある場合は、尿酸値が8mg/dl以上で薬物治療となります。
 もし痛風を経験したことがあるなら、尿酸値が7mg/dl以上で治療が必要でしょう。
 そして治療中は常に尿酸値を6mg/dl以下に維持するのが望ましいのです。ちなみに尿酸値が4.6〜6.6mg/dlの間だと、痛風の発症率が最も低いという統計があります。

【目指せ血圧120/80mmHg!】
 ウォーキングなどの有酸素運動を定期的に行いましょう
 塩分摂取量は1日7g以下を目安にしましょう
 ストレスをためないようにしましょう
 十分な睡眠をとりましょう
 標準体重を維持(目標に)しましょう
 お酒はほどほどにしておきましょう
 禁煙しましょう

【生きがい療法とは!?】
 「生きがい」ってなんでしょう!?それは、「より価値ある人生を創造しようとする意志」であるといえましょうか。
 それでは『生きがい療法』とは・・・?それは病気になった人に生きがい、すなわち生きる意味、生きる価値を示すことによって、今ある病気、困難に立ち向かう力を与えて治療経過をより良い方向に導く方法です。これは、現スバルクリニック院長伊丹仁朗先生の提唱された概念です。伊丹先生は1987年に、がん闘病者さんとモンブラン登頂し、がん治療における生きがい療法の重要性を世間に広めておられます。
 『生きがい療法』とはすなわち、病気からくる不安な気持ちを取り除くために、生きがいに感じることや笑いなどの前向きな精神活動を積極的に行うことによって、自然治癒力を高めようとする心理療法なのです。この考え方は大きく以下の5項目からなります。
(1)自分が自分の主治医のつもりで病気に対処すること
 患者さん本人が自身の病状を理解し、治療法を良く知り、最善の方法を選択し、積極的に治療に取り組まなければいけません。
(2)今日一日の生きる目標に取り組むこと
 病気と闘病中でも、可能な範囲で仕事をしたり、家庭人・社会人としての役割を果たしたり、趣味・スポーツなど、今日1日の人生の目標を実行することです。それによって、生きる意欲が大きくなり、病気克服へのエネルギーを増やすことができるでしょう。
(3)人のためになることを実践すること
 自分が周囲の人々や社会の役に立つことは、生きる手ごたえを感じ生きがいを発見する近道ともいえるでしょう。つまり他人の役に立つことが自分の生きる意欲を高める効果があります。
(4)不安・恐怖はそのままに、今できる最善をつくすこと
 生きがい・笑いなどポジティブな心の働きを大きくしょうとしても、不安・死への恐怖があまりに強いとそれに圧倒されてしまいます。したがって、不安・死の恐怖に上手に対処していく心理学的なコツをみにつけておくことが不可欠といえます。まず不安や恐怖の原因を考え、不安の原因である病気の悪化を防ぐために、今できる最善の治療法や健康法に取り組むと良いのです。すぐ実行できることがない場合は、今日1日の人生で実行したほうがよい物事に取り組みましょう。家事・仕事・趣味・スポーツ何でも良いのです。今必要な行動に取り組めば同様の効果があります。
(5)死を自然現象として理解し、今できる建設的準備をしておくこと
 死はいつかは直面する事実ですから、いくら逃げても逃げ切ることはできません。逃げればますます怖くなってしまうとも言えるでしょう。したがって逃げるのをやめて、ちょっと振り返って“死とは何か”どう対処すればよいか”を考えておくと、死というものに対応しやすくなるのではないでしょうか。
 死とは人間の力ではいかんともしがたい「自然現象」のひとつとして理解しておくことが勧められています。自然現象なのだから、仕方がない、と理解しておきましょう。
 今できる「建設的準備」とは?家族・友人への感謝の言葉、財産、所有物の形見分け、仕事やライフワークの継承、葬送の方法など、それぞれの人がさまざまな準備をしておけることでしょう。
 危機管理の研究によると、大きな危機に直面したとき、最悪の事態を想定して準備対策を行えば、その後の生きる意欲が大幅に高くなる心理的効果もあることがわかっています。
 「たとえがんや難病になっても、これまで通り社会人・家庭人として普通に行き、周囲の人々や社会の薬に立って生きよう」ということになるでしょう。そうした生き方が、病に負けず今日一日を生き抜く力となるのです。
 生きがい療法実践会のホームページは<http://www.harenet.ne.jp/ikigai/>です。東京でも定例勉強会が開催されているそうです。ご興味のある方は、お問い合わせください。

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