クリニック通信2003年7月号 〜

<クリニックの夏季休暇予定について>

 いよいよ今月後半からは、子どもたちの夏休みです。良いのやら悪いのやら・・・。
 SARSも一段落したようですから、海外にお出かけになるご家族もきっとおられるでしょう。でも、帰国後10日以内に高熱と咳がでた場合、いったいどう対応したらよいのやら?
 さて、クリニックも夏休みをとります。下記予定、ご了承ください。
 

7月30日(水)31日(木)8月1日(金)

 8月13日(水)14日(木)15日(金)16日(土)

<プール熱(咽頭結膜熱)が流行しています!>
 
 アデノウイルス感染症の一種です。小学校のプールを媒介して流行することがあるのでプール熱と呼ばれるようになりました。でも、感染はプ−ルだけとは限りません。 

 症状としてはまず38〜4O℃の高熱が出ます。この熱はなかなか下がりにくく、1週間から10日も続くことがあります。のどが痛く、咽頭が真っ赤になります。目の症状も特徴で、結膜が赤くなり、目が痛かったり、まぶしかったりします。ほかに頭痛、咳、鼻水などもあります。合併症で怖いのは肺炎です。普通の肺炎よりも重くなることが多いので要注意!

 治療はなによりも安静が大切です。ウィルス性の病気ですから、抗生物質は無効です。熱が高いので子供は機嫌が悪くて困りますが、いい方法はありません。急激に熱を下げるのは危険ですから、少量の解熱剤で我慢してもらいましょう。下がっても安心しないで、水分を十分補給すること、感染を防ぐには患者に接触しないこと、タオルや洗面器を別のものにし、手をよく洗うことも大切です。

<子どもの救急症状>

 比較的元気であれば、発熱だけであわてる必要はありません。
 こどもの病気には、高い熱を伴う感染症の疾患が多いのが特徴です。
 発熱は細菌やウイルスをやっつけようとする生体の防衛反応といわれています。
 従って、発熱は病気の重さを判断する症状とはなりません。

 それでは、発熱だけでは救急かどうかわからないとすればどんな症状に注意したらよいのでしょうか?
 病気がひどくなるとこどもの機嫌はわるくなります。逆に機嫌がよければあまり心配ありません。
 それでは、機嫌がわるくなるとどのような症状となるかあげてみましょう。病気の重症度の判定の参考にしてください。

* 生後1か月未満の新生児ではどんな症状も注意する。

* 顔つきが病的で機嫌が悪く、笑うこともなく反応が鈍い。

* 遊ぼうとしない。

* 立つことができない。

* 3時間以上ずーと泣き続けている。

* 優しくさわったり抱いたりしても泣き続ける。

* 甲高い泣き声や弱々しい泣き声やうめき声をあげる。

* 寝付きがわるくすぐさめる。ボーとしていて完全に覚醒していない。

* 呼吸が苦しそうに見える。

* 唇や口の周りが蒼白で青白くなっている。

* 皮膚の色がわるく蒼白〜灰色がかって見える。

*全身の倦怠感が強い
 どんな子どもでも病気をすれば多少ともぐったりした感じがあります。しかし、全然笑わず、遊びにも興味を示さず、泣き声も弱く、ぐったりしておりウトウトしている状態では病気が重くなっているサインです。

*激しい痛み
 さわったり、体を動かしたりすると泣くようなことがあれば髄膜炎かもしれません。体を動かすと痛いからです。たえず泣き叫びなかなか眠れないのは激しい痛みのためです。

*歩けない
 普段歩いたり立ったりしていた子どもが歩いたり立てなくなった場合は、下肢に大きな怪我をしているか体のバランスを保つ働きに障害があるかもしれません。また、背中を丸めてお腹をかばうようにして歩く場合は虫垂炎のような腹部の重大な病気が考えられます。

*腹痛
 小さいお子さんの場合は、膝の上に抱いて絵本などを読んであげながら、子どものお腹を手で軽く押さえてみてください。なにもなければ、お腹を2cmくらい押し下げることができ、なんの抵抗感もなく5本の指すべてがお腹を押し下げることができるはずです。子どもが痛さのためその手を払いのけようとしたり、泣くようなことがあれば重要な腹痛のサインです。お腹がはって膨隆し硬くなっているようならばもっと重篤な状態です。

*睾丸、陰嚢痛、そ径部(両足の付け根の部分)の突然の痛み
 これは睾丸が捻転していることを疑うサインです。捻転があれば8時間以内に手術をすれば睾丸は回復する可能性があります。

*息苦しい
 激しい咳や鼻汁がないときの呼吸の状態をみてください。もしクループやゼロゼロなどがあり、息が苦しそうであれば病院に行ってください。その他、呼吸が早かったり、唇の色が青みがかっていたり、肋間が陥没して胸が凹むような場合も呼吸困難のサインです。

*唇が青みがかっている
 唇や口の周りが青みがかっていたり、チアノーゼがあれば血液中の酸素濃度が低下していることを示しています。

<夏にとりたい食材について;夏バテやむくみでお悩みの方へ>

【ウナギ】
 土用の丑の日に、夏バテ解消はウソじゃない!
 うなぎは夏の土用の丑の日に夏ばてを防ぎ、体力回復のために食べられてきました。それは何も言い伝えではなく、これでタンパク質、ビタミン、ミネラルを補給して暑い夏をのりきってきたのです。
またうなぎの表面がヌルヌルしているのは、 ムコプロテインという糖タンパクの一種で、これが弱った胃腸の粘膜を保護し、消化吸収を助けるので、夏の食欲不振を解消し、 夏ばてから栄養不足となることを防いでくれます。
 うなぎの肝に多く含まれているビタミンAが消化器や呼吸器、目の粘膜を強化する効果 をもち、 胃腸の病気や風邪の予防、夜盲症にも有効です。
 うなぎのビタミンAはレチノールと呼び、野菜のカテチンと違って、 全部吸収されますので、夏ばてを防いでくれます。
 他にもビタミンB2ビタミンE、それにEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)も豊富に含まれ、動脈硬化、疲労回復、 老化防止に効果的です。

【パイナップル】
 消化活動を促し、夏バテ、疲労にも効果有り。
 日本には幕末にオランダの漂流船によりもたらされたといわれ、熱帯アメリカでは古くから栽培されていたそうです。原産地はブラジルです。形が松かさ(PINE)のようで味はりんご(APPLE)のようにおいしいということでパイナップルと名づけられたといわれています。
 肉をやわらかくし消化を助けるたんぱく質分解酵素のブロメリンを含んでおり、酸味のもととなるクエン酸も含んでいるため、胃酸の分泌をよくするので消化を促し胃腸の健康をまもります。その上、ブロメリンは腸内の腐敗物を分解する作用があり、下痢・消化不良・ガス発生などの消化器系障害にも有効とされています。さらには、ビタミンB1をも含んでおりますので、疲労回復や夏バテにも効果 があります。
いわゆる、新陳代謝をよくするということになります。

【ししとうがらし】
 夏バテ解消のビタミンC、カロチンがいっぱい。
 先端がライオンの頭に似ているところから「獅子唐辛子」の名がついたといわれ、とうがらしの甘味種です。同じのとうがらしの仲間でピーマンがあります。成熟すると赤くかたくなりますが、普段食べているのは熟していないものです。
 からだの免疫機能を高め、疲労を回復させるはたらきをもつビタミンCはピーマンよりも多く含まれていて、夏バテ防止にもぴったりの食品といえるでしょう。
皮膚や粘膜を正常に保つ効果 のあるカロチンも含まれていて、消化器系・呼吸器系の抵抗力を高めるのにも役立つといわれています。

【オクラ】
 オクラのぬめりは抜群の健康野菜。
 オクラはひじょうに歴史の古い野菜で、その原産地はアフリカの北東部で、エジプトでは紀元前2世紀からすでに栽培されていたといわれています。日本に始めて渡来したのは江戸時代の末期ごろですが、ヌメっとした青くさい食感が日本人には好まれなかったようです。本格的に普及しはじめたのは1965年ごろですが、ぬ めりがあるため好き嫌いがハッキリと別れるようです。
 しかしこのぬめりこそが整腸作用やコレステロールを減らす作用があり、またこのぬ めりこそがガラクタンアラバンペクチンなどの食物繊維なのです。特にペクチンは血糖値の急上昇を抑える効果 もあり、糖尿病の予防にも役立ちます。そのほかオクラは栄養価の高い野菜で、カルシウム、鉄、カロチン(ビタミンA)、ビタミンCなども含まれていて、夏ばて解消にはもってこいの野菜と言えるでしょう。

【くろまめ(黒豆)】
 エネルギー代謝を盛んにして、疲労回復に効果的。
 黒豆は大豆の一種ですが、黒豆特有のアントシアンという成分が、鉄と反応してアントシアン鉄というツヤのある黒色の色素になります。
特に薬用として昔から用いられているものは黒豆だけです。栄養分は一般的な大豆とほとんど変わりません。
 タンパク質や脂肪の他にソーヤサポニンが含まれていて、これが血中脂質の酸化を防ぎ、脂肪やコレステロールを減少させます。また黒豆にはビタミンB1が特に多く含まれていて、エネルギー代謝を盛んにして、疲労回復や夏バテに効果があります。さらには冷え性や二日酔いなどにも効果があるといわれています。

【あずき】
  サポニンの高い利尿効果と食物繊維で便秘とむくみを解消。
 あずきの原産地は温帯アジアで、1200年以上前に中国から渡来したと言われています。あずきのほとんどは、和菓子のあんこや甘納豆などに加工され古くから食されています。あんこという食品は日本独特のもので日本の食文化を語るのに欠かせない物です。
 あずきにはビタミンB1が含まれていますから、糖質をエネルギーに変え、糖質が筋肉内に蓄積して疲労物質に変わるのを防ぎ、疲労回復、肩こり、筋肉痛などに効果 があります。
また食物繊維が豊富で便秘を解消し、サポニンが含まれていますのでコレステロールや中性脂肪を低下させ、高血圧、高脂血症の予防にも効果 があるようです。それにサポニンは高い利尿作用があり、あらゆるむくみにも有効です。

【きゅうり】
 きゅうりは浮腫み(むくみ)とりに効果あり。
 きゅうりの原産地はヒマラヤで、日本へは中国から9〜10世紀ごろ渡って来ました。日本では本格的に普及しはじめたのは、幕末から明治にかけてと言われています。きゅうりにパリッとした食感はさわやかな風味が楽しめ、食をすすめるための野菜と言えます。
 きゅうりには高い利尿効果のあるイソクエルシトリンという成分を含んでおり、むくみをとる作用があります。
 また、膀胱炎や急性腎炎でむくみのあるとき、応急処置として生で丸ごとかじったり、乾燥したものを煎じて引用すると効果があります。

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